退職後の生活費を考えるとき、最後の給与と失業手当だけを見て計算してしまう人は少なくありません。
ところが実際には、住民税、健康保険、国民年金など、会社員時代には給与から引かれていた支払いが自分宛てに届きます。失業手当も、退職後すぐに振り込まれるとは限りません。
退職を決めたら、手続きと家計を同時に整理しておく必要があります。
目次
退職前に確認すること
退職日と最終給与の支給日
退職日と給与支給日は別です。退職した翌月に最後の給与が入る会社もあれば、当月払いの会社もあります。
未消化の有給休暇、残業代、賞与、退職金の有無も確認します。退職後の資金計画は、手取り額と入金日をセットで書き出すと分かりやすくなります。
会社から受け取る書類
一般的には、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書などを受け取ります。転職先が決まっているか、失業手当を申請するかによって必要書類は変わります。
離職票が届く時期も会社によって差があるため、いつ発送されるか確認しておきましょう。
健康保険をどうするか
退職後の健康保険には、主に次の選択肢があります。
- 転職先の健康保険に入る
- 家族の扶養に入る
- 前の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に入る
保険料だけでなく、扶養家族の人数や給付内容も含めて比較します。任意継続と国民健康保険は、条件によってどちらが安いか変わります。
退職直後に確認すること
失業手当の手続き
失業手当を受けるには、ハローワークで求職の申込みと受給資格の確認を受けます。退職理由や雇用保険の加入期間などにより、受給できる日数や開始時期が変わります。
自己都合退職の場合、7日間の待期に加えて給付制限が設けられることがあります。2025年4月以降の退職では、給付制限は原則1か月となりましたが、過去の離職状況などによって異なる場合があります。
失業手当シミュレーターでは金額の目安を確認できますが、最終的な認定はハローワークが行います。
国民年金の手続き
転職先にすぐ入社しない場合は、国民年金への切替えが必要になることがあります。配偶者の扶養に入れる場合は、第3号被保険者になる可能性があります。
収入が大きく減った場合は、保険料の免除や納付猶予を利用できることもあります。払えないまま放置せず、市区町村や年金事務所に相談してください。
住民税の支払い
住民税は前年の所得をもとに計算されます。そのため、退職して収入がなくなっても、前年に所得があれば請求が続きます。
退職時期によっては、最後の給与や退職金から残額がまとめて引かれる場合があります。普通徴収に切り替わり、後日納付書が届くケースもあります。
退職後に届く住民税は想像以上に負担感が大きいため、あらかじめ別枠で確保しておくと安心です。
退職後3か月までの家計を作る
退職後の資金表には、次の項目を月別に並べます。
- 最終給与
- 退職金
- 失業手当
- 健康保険料
- 国民年金保険料
- 住民税
- 家賃や住宅ローン
- 生活費
- 転職活動にかかる交通費など
失業手当の総額だけでなく、初回入金までの空白期間を見ることがポイントです。
年末調整を受けられない場合もある
年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合は、勤務先で年末調整を受けられないことがあります。給与から引かれた所得税が多い場合は、確定申告によって還付される可能性があります。
源泉徴収票は確定申告にも必要になるため、届いたら保管しておきましょう。
退職前にシミュレーションしておく意味
退職後のお金は、手続きを始めてから考えるより、退職日を決める前に計算した方が選択肢が増えます。
退職日を1か月ずらすことで、賞与、有給休暇、社会保険、失業手当などの条件が変わる場合があります。まずは失業手当の目安を確認し、住民税や健康保険料を加えた3〜6か月分の家計を作ってみてください。
