50代から確認したい老後のお金|年金・iDeCo・退職後の生活費を整理する手順

50代になると、老後は遠い将来ではなくなります。

それでも、「老後資金は2,000万円必要」といった大きな数字だけを見ても、自分に当てはまるかは分かりません。必要額は、年金、退職時期、住宅費、家族構成、働き方によって変わります。

まずは自分の数字を集めるところから始めましょう。

最初に年金の見込み額を確認する

ねんきん定期便やねんきんネットで、将来受け取れる年金の見込み額を確認します。

ここで注意したいのは、表示される金額が額面であることです。実際の受取時には、所得税、住民税、健康保険料、介護保険料などが差し引かれる可能性があります。

老後の家計は、額面ではなく手取りベースで作ります。

退職する年齢を一つに決めない

「60歳で退職」「65歳まで働く」など、最初から一つのケースだけで計算すると、判断材料が足りません。

たとえば、次の三つを比べます。

  • 60歳で完全に退職する
  • 65歳まで働く
  • 60歳以降は勤務時間を減らして働く

給与がある期間、社会保険料、年金の受給開始時期、貯蓄の取り崩し額が変わります。複数パターンを並べることで、現実的な選択肢が見えてきます。

iDeCoは節税額だけでなく受取時も考える

iDeCoは掛金が所得控除になり、運用益が非課税になるメリットがあります。一方で、受取時には一時金か年金かによって、退職所得控除や公的年金等控除との関係が変わります。

会社の退職金がある人は、受け取る時期も含めて考える必要があります。50代から掛金を増やす場合は、節税効果、積立期間、生活資金の余裕を確認しましょう。

住宅ローンと住居費を確認する

退職後も住宅ローンが残る場合、年金生活に入ってからの固定費が大きくなります。

繰上返済を検討するときは、金利だけでなく、手元の現金が減る点にも注意が必要です。病気、介護、住宅修繕などに備える資金まで返済に回さないようにします。

賃貸の場合は、家賃を何歳まで支払うかを長めに見積もります。

生活費は現在の支出から作る

老後の生活費を平均値だけで決めると、自分の暮らしと合わないことがあります。

現在の家計から、退職後に減る支出と増える支出を分けます。

減りやすいものは、通勤費、仕事用の衣服、昼食代などです。増える可能性があるものは、医療費、光熱費、趣味、旅行、住宅修繕費などです。

年払いの保険料、固定資産税、車検なども月割りして含めます。

不足額は「毎月」と「総額」の両方で見る

年金の手取りが月18万円、生活費が月23万円なら、毎月5万円不足します。

この5万円を何年間補う必要があるかを考えれば、必要な金融資産の目安が見えてきます。ただし、物価上昇や医療・介護費などもあるため、ぎりぎりの数字にしない方が安心です。

50代は修正がまだ間に合う

不足が分かっても、悲観する必要はありません。退職時期を少し延ばす、固定費を下げる、iDeCoや預貯金の積立額を見直す、住宅ローンの返済計画を調整するなど、選択肢があります。

年金手取りシミュレーターiDeCo節税シミュレーターを使い、まずは60歳、65歳、70歳など複数の時点で家計を作ってみてください。老後資金は、正解を一度で出すものではなく、毎年更新していく計画です。

関連記事・ツール